今春みすみすまた過ぐ  (今春看又過)

ああ、また春が過ぎていってしまう、
そんな詠嘆が聞こえるような、杜甫の漢詩の一節。
今年もゴールデンウィークが終わり、晩春の季節となった。

家人は、「晩春」という言葉があまり好きではないという。
「晩」という字に、やや暗いイメージがあるからのようだ。
私は、むしろ好きな言葉の部類に入るのだが。

晩春、晩夏、晩秋
どれも、過ぎていく季節を惜しむような心持ちがある。

  行く春や鳥啼き魚の目は泪

奥の細道に旅立つ芭蕉も、仲間との別れを、
過ぎていく春に掛けた。

ちなみに晩冬という言葉もあるが、
こちらは来る春を期待するニュアンスを感じるのだが、
私の誤解か。

もう春ともお別れだよ、そんなある日、
大町市郊外の中山高原を訪れた。
まだ菜の花が目に痛いほど咲いていて、
春霞を拭い去った残雪の山々がまぶしかった。




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