終戦記念日近づくと、ジプリアニメの「火垂るの墓」、よく放映される。
幼い兄妹のあわれな末路、
あまりにかわいそうで、かわいそうで、
その印象が強くて、再度見る気持ちになれない。
どのような筋であったのかも忘れてしまっているが、
どうしても見ることができないのだ。

本を買ってはみたものの、ほとんど読むことをせず、
積ん読(つんどく)状態になっているものがかなりある。
その積ん読本の棚卸し、今必死にやっている。
そんな本の中、野坂昭如の「アメリカひじき・火垂るの墓」があった。
全6編の短編集、勇気を奮って読んでみた。



どの作品も、戦後の混乱期、身寄りを失った少年の、
悲惨な状況描写する。
後ろの解説を読むと、どうやら野坂の実体験、だいぶ反映されている。
妹の死、飢餓、少年院、蛆虫の競争・・・
野坂の文体は、講談師の語り口のよう。
助詞の省略、体言止め、関西弁が混じって、テンポがいい。

ノーベル平和賞に、日本被団協が受賞した。
日本人として、誇りであり、大変喜ばしい。
だが、裏を返せば、
戦争がもたらす結果があまりに悲惨である証では。
世界各地での紛争が早く終結するよう、
祈らずにはいられない。

未丈ガ岳(みじょうがたけ)
名前は聞いたことがあるのだけれど、その程度であった。
登山当日の数日前に、友人から持ちかけられた。
ガイドブックによれば、
新潟県の山奥の山奥にある。
ダムを造るための道路ができて、
アプローチがしやすくなったということだ。
標高は1553m、里山に棒を振ったくんなもんだと、
高をくくってしまったのが大きな間違いであった。

登山口を少し行くと、向こうから三人組が来る。
もう登頂を終えたのかと思ったら、そうではなかった。
グループの中に高所恐怖症の者がいて、
この先の一本橋を渡れなかったので撤退してきたという。
(ええっ!そんなに大変なの?)
いきなり、暗雲が漂う。

くだんの橋は、編み目状の鉄製で幅1.5mほど、
さして恐いものではなかったのだが、それからが大変だった。
急登の連続、ちょっと危ない箇所がいくつかあった。
途中、標高974mの三角点がある小ピークがあり、
山頂がよく見える。
ガイドによれば、さらに2時間以上かかるようだ。



遠慮のない急登が続き、
よくまあ山頂にたどり着けたものだ。
ただ、山頂からの眺望は素晴らしかった。
新潟、群馬、福島に連なる数々の山が十重二十重と望まれる。
残念ながら、越後駒ヶ岳や荒沢岳は雲に隠れてしまっていたが、
守門、浅草、御神楽岳といった山々が目の前に見えた。



不思議なことに山頂直下の傾斜地に草原がある。
スキー場ではないのかと思えるくらい。
すでに草紅葉状態であった。



「未」という字は十二支の「ひつじ」とも読めるので、
未丈ガ岳は十二支の山にもなっているそうだ。

それにしても登り4時間、総行動時間は8時間、
3ヶ月半ぶりに山登りをする身にはつらいものがあった。
大腿四頭筋の鍛錬が足りていないことを痛感したのであった。

8月に信濃町の黒姫高原に遊んだ際、
スキー場のすぐ近くにあったUというそば屋に、
張り紙がしてあることに気がついた。
なんだろうとその張り紙を読むと、なんと、
ついさっき閉店したばかりであったのだった。
当日はそのそば屋が目当てではなかったのだが、
ああー、しまった-、そうと知っていれば・・・。
おいしいそば屋であったので、
半年に1回くらい食事させてもらっていた。
せめてもう一度は食べておきたかった。

長年ひいきにしていたY庵というそば屋が、
10月いっぱいで閉店するという。
歩いていけるところということもあり、
本当にお世話になりました。
昼酒を、そば味噌などをつまみに楽しんで、
最後にそばでしめる、
そんなことを月1回ぐらいでやっていた時期もあった。
お店を建て替えて、もう四半世紀以上経つのだろうか。
建て替える前は、
それこそ三丁目の夕日にでも出てきそうな町なかのそば屋であった。
奥の座敷からはちょっとした庭が眺められて、
それはそれで趣があったと記憶している。

先日、未使用のどんぶりを記念にいただいた。
また一つ、なじみの店の灯が消えることになりました。
寂しいかぎりです。



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