須坂市豊丘に樹齢400年の桜があるという。
それを見に出かけた。




「延命地蔵堂の桜」と呼ばれるその桜のすぐ近くに、
瀟洒な建物がある。
かつての学校だったものを改造したらしいその建物は、
「園里資料館」と名乗っていた。
タダだというので入ってみることにした。




1階はかつての民家の中を、
2階はかつての学校の教室を、再現していた。
その教室においてあった机と椅子を見て、
あれー、懐かしいー、となってしまった。



自分が小学校に入学したとき、
机と椅子はこれであった。
小学1年生のときの記憶がよみがえった。
この机、学習する面が机のフタになっていて、
手前から持ち上げて、その中に教科書を入れる。
牛乳びんを倒してしまい、こぼれた牛乳が机の中に流れ落ち、
教科書をぬらしてしまったこともあった。

このニコイチの机で、最初に隣どうしとなった女の子は、
○○サワ サチ○さんといった。
おとなしくて静かな子だった。
今はどこで何をしているのか、もちろん知るよしもない。

小学時代の同級生で、今は東京に住んでいる友人がいる。
たまにこのブログを見てくれているのだが、
どうだろう、この机のことは覚えているだろうか。



現在はどうだか知らないのだが、
当時、各教室には1台ずつオルガンがあった。
もっとも、これほどぼろっちくはなかったけれど。

資料館の方の説明よれば、
なんでもこのオルガンは、
映画「シンペイ 歌こそすべて」の撮影に使われたものだという。
えっ? ええーーー!
映画のスタッフはよくまあこのオルガンを見つけたものだ。
まだ音が出るのだから、さらに驚いた。

須坂の片田舎にあるちっぽけな資料館で、
とってもいい出会いがあったのだった。

昭和というよりは、明治か大正でしょというほど古色蒼然とした建物、
でもその方が桜との相性がいいのではないのかと思ってしまう。
佐久の家畜改良センターである。



あと何回桜の季節を迎えることができるのか、
そんなことを思うと、桜に対する愛惜の情も一入だ。
桜のトンネルのような中を、ゆっくり歩いたのだった。



まわりの桜よりは一段群を抜いて高いシダレザクラがあった。
古木であろうか。
お互いがんばりましょうという気持ちになった。




「あんずまつり」のような催事はすでに終了してしまったのに、
花の盛りはまだ続いていた。
実際は、ひと目何万本かは知らないが、
散り始めている木はほとんど見られなかった。
十年ぶりくらいに千曲市のあんずの里を訪ねた。



展望台にある売店では、
「五番街のマリーへ」などのなんとも懐かしい曲が流れている。
見学に来た小学生を横目に、
お決まりのあんずソフトをいただきながら、風景を楽しんだ。



遠嶺はまだ雪をいただいていて、
いかにも信州の春。



車で20分のところに家人が営む畑があり、
そこにあんずの木が1本ある。
花のつき具合はどうかと見に行けば、
どういうわけか、まったく寂しい。
その代わりではないのだろうが、
畑は一面のホトケノザに覆われていて、
レンゲ畑かと見まがうほどの彩りとなってしまっていた。







アメリカの作家、ハーマン・ウォークによる小説。
太平洋戦争中、オンボロ掃海駆逐艦「ケイン号」の乗組員が、
とんでもない艦長に翻弄される話を軸に、
一人の若者が人間的に成長していく物語。
この艦長、偏執狂の気があり、パワハラは働く、自分のミスは部下のせいにする、わりと臆病、といった人間で、
リーダーとしての資質が疑われる。そんな中、嵐に遭遇するが・・・。

この小説を読んでいる最中に、H県の知事の言動を、第三者委員会なるものがパワハラと認定したとのニュースがあった。
そういえば、某N県でも昨年、会社でいえば重役クラスの公務員がパワハラで処分された。
パワーハラスメント(パワハラ)は、近年社会の理解が進み、
法も整備されてきた。
ただ、はっきり言って、パワハラを直すのは難しい。
幾多のパワハラにさいなまれた私の率直な感想。
アンガーマネージメントの講習会なども行われているが、
そもそも人の性格はそんなに簡単には修正できない。
第一、自身の言動が他人を傷つけているなんてことに気づいていない節がある。

こんなことがあった。
モーレツパワハラのAさんが、別のパワハラ人間Bの評判を聞きつけてきて、
「おい、Bは(パワハラが)ものすごいっていうじゃねえか。」と言うのだ。
Aさんだってそうですよ。ってどれほど言いたかったことか。

ちくしょー、今度はオレが怒鳴り散らす番だと思っていたら、
もうそれができない時代となっている。

小説を読んでいる最中、さらに驚くべきニュースが入ってきた。
なんと、同じN県の重役クラス公務員が、長年盗撮をしていたというのだ。
仕事ができる人間は、十数年にわたって卑劣な行為を隠しおおせるのかと、
苦笑いしてしまった。
運の尽きだったのは、退職金が目の前にぶら下がった時期に発覚したことだ。
彼の家のパソコンには、N県の女性公務員の股間写真がコレクションされていることだろう。
彼を優秀な職員として評価した人も、
彼を重要な役職に起用した人も、
そしてなにより、彼の部下となり、彼の命令を受けた人も、
だまされたと思ったのではないだろうか。お気の毒様です。
さほどに、人の本性を見抜くということは難しい。

そもそも、上司だからといって人格者を期待してはいけない。
日本のような年功序列の社会では、そこそこ仕事ができれば、みな上司になっていく。
組織を束ねる能力というものは、部下であったときの仕事の能力とは別の次元であり、
実際にそのポストにつけてみなければわからない。
人格者だからといって上のポストにつけてもらえる訳ではないし、
とんでもない上司というものもしばしば出現する。

ケイン号の艦長は、軍法会議で証人として登場し、
証言をする中で自らの正体をさらけだしてしまう。
とんでもない上司を持ってしまうことは大変なことであるが、
それ以上に、自分がそれなりの上司になっていくことの方が、
鍛錬がいることである気がする。

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