槍ヶ岳の屹立した姿には神々しさを感じてしまう。8月27日放送の「美の壺」ではないが、祈らずにはいられない存在だ。世界中から集うパラリンピアンが健闘できますように、とか、早くコロナウィルスが収束しますように、とか、胸によぎる事柄はいくつもある。

 大天井岳は、里から見ると「え?いったいどの山なの?」という感じで目立たないが、餓鬼岳から大滝山へと続く北アルプス第一列の核心部の山だ。燕岳から槍ヶ岳へのいわゆる「表銀座」の重要な通過地点でもある。しかも、北アルプス南部の主脈を一望できる大展望台だ。とりわけ槍、穂高の眺めはバツグンだ。


 安曇野の象徴である有明山も眼下に見える。


 新型コロナのせいで、山小屋の経営は厳しいときく。完全予約制となっていて、感染対策は万全だ。宿泊することしかできないが、せめてもの協力をしていきたい。

 長野県では、県内の眺望のよい場所を「ふるさとの見える(丘)」と銘打って、認定をしていたが、いまひとつPRがうまくいっていないみたい。(( )内は「丘」だけでなくてもいいってことのようだ。)県のホームページをまさぐっていくと、なんとか一覧表にたどり着く。田舎の景色のことだが、所管は「都市・まちづくり課」というところだ。
写真の撮影地として大変参考とさせてもらっているので、どうかもう少し残しておいてほしい。

 例えば、生坂村の「棚の平公園」。3密を避けて、素晴らしい眺めを堪能できる。


 立科町の「見える丘」は、今では道の駅となっている。


 クーー、クーー クーー、クーー 母鳥だろうか、ヒナに呼びかける。ヒナ鳥たちは必死になって親を追いかける。なんとこの雷鳥、6羽ものヒナを引き連れていた。先月の登山で見かけた、ほのぼのとした光景だ。


何年か前、ニホンザルが雷鳥のヒナを食っている衝撃的なニュースが報道された。えっ?サルって草食じゃなかったの?肉食がもたらすカロリーは病みつきになる。我々人類のご先祖様たちがいい例だ。
地球温暖化の影響もあり、サル以外の捕食者も高山に進出しているらしい。

 沖縄では、ハブを退治するために持ち込んだマングースが大繁殖して、ヤンバルクイナを襲っているときく。そりゃそうだ、だれだって毒蛇と戦うよりは、飛べない鳥を相手にしていた方が楽でいい。今はヤンバルクイナを守るため、マングースを駆除しているらしい。

 雷鳥は絶滅の危機にある。いずれは、雷鳥を守るため、捕食者を駆除しなければならないときが来るのだろうか。嘆かわしいことだ。
 6羽のヒナが無事成長することを祈らずにはいられなかった。


 先日の新聞報道によると、諏訪湖の花火は、毎日分散して打ち上げることになったようだ。
 かつて、諏訪の知人に誘われて、8月15日の花火大会を見に行ったことがある。割といい席を用意してもらい、2時間ほどであったか、大輪の花火を堪能した。

 ずいぶん古いことになるが、木曽駒ヶ岳に登る登山道沿いにある「西駒山荘」から諏訪湖の花火を見たことがある。夜、山小屋の外に出ると、遙か遠く、目の高さよりだいぶ下の方に、諏訪湖の花火が見えた。マッチ棒の先のようなちっちゃな花火で、もちろん音などは聞こえてこない。

 その前の晩、私は数人の仲間と不治の病にかかってしまった友人を見舞っていた。20万人に一人という難病で、身動きもままならない状態であった。仲間に、翌日から登山に行くことを告げ口されてしまい、病人の手前バツの悪い思いをしたものだ。結局その友人は、翌年のゴールデンウィーク明けに亡くなった。

 「たまゆら」という言葉は、「玉響」と書くらしく、玉と玉がふれあう微かな音を表現するようだ。
山小屋から見た「たまゆら」のような花火と、若くして亡くなった「たまゆら」のような友人の命が、今となっては一体となってしまっている。

 花火はやはり、直下で見るが一番いい。大きな音と振動、それから匂い、全身が火焔に包まれる感じだ。諏訪湖畔から見た花火、パッと散ったあとは煙が残り、その煙が風に乗って流されると、そこには北斗七星が皎々と瞬いていた。



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