2023/06/22
「えーっ、ウソだろ!」と思ったのでした。
描く草花は、牧野富太郎にも負けないくらいの繊細なタッチ。
書かれた文字は、私のものよりもよっぽど味わい深いのです。
口にはさんだ筆で、これらを描いたとはとても思えないのでした。
旅の途中で、道の駅「富弘美術館」に寄ったのでした。
群馬県桐生市から栃木県日光市に抜ける国道122号沿い、
詩画作家、星野富弘さんの美術館で、
「月にうさぎがいた頃のこと」という特別展をやっていたのでした。

星野さんは、体育教師になってほどなく、
授業中の事故で体が不自由になってしまったのです。
ついぞ体の自由を取り戻すことはできなかったですが、
9年間の長い入院生活の中で、口で描く技術を習得したのでした。
星野さんの絵は、皆さんもどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
改めて美術館で拝見したのですが、
名人芸としか言いようのないものでした。
絵に添えられた詩も、しみじみと心に届くものでした。

星野さんへのインタビューの映像もありました。
人生への「悔い」というものもあったでしょう。
でも厳しい逆境を乗り越えてきたとは思えないほど、
穏やかでやさしい顔をされておりました。
描く草花は、牧野富太郎にも負けないくらいの繊細なタッチ。
書かれた文字は、私のものよりもよっぽど味わい深いのです。
口にはさんだ筆で、これらを描いたとはとても思えないのでした。
旅の途中で、道の駅「富弘美術館」に寄ったのでした。
群馬県桐生市から栃木県日光市に抜ける国道122号沿い、
詩画作家、星野富弘さんの美術館で、
「月にうさぎがいた頃のこと」という特別展をやっていたのでした。

星野さんは、体育教師になってほどなく、
授業中の事故で体が不自由になってしまったのです。
ついぞ体の自由を取り戻すことはできなかったですが、
9年間の長い入院生活の中で、口で描く技術を習得したのでした。
星野さんの絵は、皆さんもどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
改めて美術館で拝見したのですが、
名人芸としか言いようのないものでした。
絵に添えられた詩も、しみじみと心に届くものでした。

星野さんへのインタビューの映像もありました。
人生への「悔い」というものもあったでしょう。
でも厳しい逆境を乗り越えてきたとは思えないほど、
穏やかでやさしい顔をされておりました。
2023/06/10
中学時代、「大地讃頌」という歌を合唱した。
母なる大地の ふところに
我ら人の子の 喜びはある
「大地」という言葉を聞くと、どうしてもこの曲を思い出してしまう。
パール・バックの「大地」を、3ヶ月半かけて読んだ。

この小説は、「大地」「息子たち」「分裂した家」の三部からなり、
三部まとめたものは本来「大地の家」という題名だが、
日本ではなぜか「大地」で通っている。
舞台は清朝末期の中国、
王(ワン)一族三代の物語だ。
第一部は、貧農のワン・ルンが、農地を慈しみ、富農へと成り上がっていく。
強烈なのは、妻のオーラン!
出産をたった一人でこなす大胆な女性。
思い切った行為を果敢に決断し、躊躇なく実行していく。
土に生まれ、土に生きた人々の物語に、
作者は「The Good Earth(大地)」と命名したのであった。
第二部は息子たちの物語、
それぞれ資産家、豪商、軍閥の頭目となって、バラエティーな人生を歩む。
第三部は孫たちの物語、
中国の旧弊と新時代の到来のはざまで翻弄される。
面白い大河小説であったが、
題名にふさわしいのはやはり第一部であったのかもしれない。
読んだ本が昭和30年に発刊された古い本であったため、
今ではきっとNGなんだろうなという表現があたりまえに使われている。
でも、おかげで、作者執筆当時の雰囲気が十分に感じられたのであった。
母なる大地の ふところに
我ら人の子の 喜びはある
「大地」という言葉を聞くと、どうしてもこの曲を思い出してしまう。
パール・バックの「大地」を、3ヶ月半かけて読んだ。

この小説は、「大地」「息子たち」「分裂した家」の三部からなり、
三部まとめたものは本来「大地の家」という題名だが、
日本ではなぜか「大地」で通っている。
舞台は清朝末期の中国、
王(ワン)一族三代の物語だ。
第一部は、貧農のワン・ルンが、農地を慈しみ、富農へと成り上がっていく。
強烈なのは、妻のオーラン!
出産をたった一人でこなす大胆な女性。
思い切った行為を果敢に決断し、躊躇なく実行していく。
土に生まれ、土に生きた人々の物語に、
作者は「The Good Earth(大地)」と命名したのであった。
第二部は息子たちの物語、
それぞれ資産家、豪商、軍閥の頭目となって、バラエティーな人生を歩む。
第三部は孫たちの物語、
中国の旧弊と新時代の到来のはざまで翻弄される。
面白い大河小説であったが、
題名にふさわしいのはやはり第一部であったのかもしれない。
読んだ本が昭和30年に発刊された古い本であったため、
今ではきっとNGなんだろうなという表現があたりまえに使われている。
でも、おかげで、作者執筆当時の雰囲気が十分に感じられたのであった。
2023/06/02
先日、青崩峠トンネルが貫通したとの報道があった。
信濃毎日新聞はあたりまえとしても、
テレビ朝日の全国版のニュース(「グッドモーニング」)でも紹介されたのは、
ちょっと驚きであった。
青崩峠トンネルは三遠南信自動車道の重要な部分。
青崩という地名が示すとおり、地質がもろく、難工事だったらしい。
今後の工事の進展に期待したい。

このトンネルの上に、まさしく青崩峠という峠がある。
15年も前になるだろうか、
この峠を経由して、熊伏山という山に登ったことがあった。
下山して麓の「道の駅遠山郷」にある温泉で汗を流した。
湯につかってふと気がつくと、
右足内側くるぶしの少し上から、フワフワと血が流れ出しているではないか。
不審に思い、湯から出て、患部を子細に眺めていたら、
山で出会った人がやはり温泉に来ていて、
「ヒルにやられましたね。」と言う。
「え?」「ええっっっっ!」
痛くも痒くもなかったのだが、しっかりと血を吸われたらしい。
湯からあがり、脱衣所で靴下を見てみたら、
足首のあたりに1センチほどの穴が開いていた。
ヒルの魔法なのだろうか、
血が止まりにくく、傷の治りが遅かった。
へんてこりんな思い出が、峠の名前とともに記憶されたのであった。
信濃毎日新聞はあたりまえとしても、
テレビ朝日の全国版のニュース(「グッドモーニング」)でも紹介されたのは、
ちょっと驚きであった。
青崩峠トンネルは三遠南信自動車道の重要な部分。
青崩という地名が示すとおり、地質がもろく、難工事だったらしい。
今後の工事の進展に期待したい。

このトンネルの上に、まさしく青崩峠という峠がある。
15年も前になるだろうか、
この峠を経由して、熊伏山という山に登ったことがあった。
下山して麓の「道の駅遠山郷」にある温泉で汗を流した。
湯につかってふと気がつくと、
右足内側くるぶしの少し上から、フワフワと血が流れ出しているではないか。
不審に思い、湯から出て、患部を子細に眺めていたら、
山で出会った人がやはり温泉に来ていて、
「ヒルにやられましたね。」と言う。
「え?」「ええっっっっ!」
痛くも痒くもなかったのだが、しっかりと血を吸われたらしい。
湯からあがり、脱衣所で靴下を見てみたら、
足首のあたりに1センチほどの穴が開いていた。
ヒルの魔法なのだろうか、
血が止まりにくく、傷の治りが遅かった。
へんてこりんな思い出が、峠の名前とともに記憶されたのであった。