中学時代、「大地讃頌」という歌を合唱した。
  母なる大地の ふところに
  我ら人の子の 喜びはある
「大地」という言葉を聞くと、どうしてもこの曲を思い出してしまう。

パール・バックの「大地」を、3ヶ月半かけて読んだ。



この小説は、「大地」「息子たち」「分裂した家」の三部からなり、
三部まとめたものは本来「大地の家」という題名だが、
日本ではなぜか「大地」で通っている。

舞台は清朝末期の中国、
王(ワン)一族三代の物語だ。
第一部は、貧農のワン・ルンが、農地を慈しみ、富農へと成り上がっていく。
強烈なのは、妻のオーラン!
出産をたった一人でこなす大胆な女性。
思い切った行為を果敢に決断し、躊躇なく実行していく。
土に生まれ、土に生きた人々の物語に、
作者は「The Good Earth(大地)」と命名したのであった。

第二部は息子たちの物語、
それぞれ資産家、豪商、軍閥の頭目となって、バラエティーな人生を歩む。
第三部は孫たちの物語、
中国の旧弊と新時代の到来のはざまで翻弄される。
面白い大河小説であったが、
題名にふさわしいのはやはり第一部であったのかもしれない。

読んだ本が昭和30年に発刊された古い本であったため、
今ではきっとNGなんだろうなという表現があたりまえに使われている。
でも、おかげで、作者執筆当時の雰囲気が十分に感じられたのであった。

< 2023年06>
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